小規模事業者支援専門家ミーティングに参加しました
小規模事業者支援専門家ミーティングに参加しました。
今回は、高知県で開催されていて、各地の小規模事業者支援専門家(主にITコーディネータ)約20名が参加した集まりです。小規模事業者支援の実務をお仕事にしている皆さまで集まって交流を深めることが目的とのことで、参加資格の制限もありますが、私はある方のからの紹介で小規模事業者支援の実務経験皆無ながら参加させて頂くことが出来ました。
主にITコーディネータの集まりでしたので、デジタル活用に関する議論が多いのかと思いきや、まさに会合名が表すとおり、小規模事業者向けならではの支援の課題に関することが多く、実務に根差した議論が飛び交っていました。
小規模事業者向け支援の特徴
企業向けの支援を行う専門家は、支援分野(例えばIT、経営、販路開拓、知財、会計、法務、等)の専門知識や技能が必要なのは当然のことですが、それに加えて小規模事業者向けの支援ならではの特徴があり、それに対応する支援ノウハウが必要となるようです。
具体的には、事業者の真意や真の課題(デジタルマーケティングの支援で呼ばれて行ってみたら、実は既に資金繰りに課題があったなど)を引き出すためのノウハウや、事業者との信頼関係の築き方、専門分野以外の支援分野の課題に対応するノウハウ(例えば専門家同士のつながり)などが実務では必要になる場面が多々あるとのこと。
これらは、以下のような小規模事業者とそれ以上の規模の事業者の組織構造の差から生じるのではないかとの指摘もありました。
小規模事業者 (主に個人事業) | それ以上の規模の事業者 | |
経営組織 | 家族経営+α(未分化) | 分業・部門 |
事業継続 | 個人の意思 | 継続企業の前提 (法人の場合) |
事業執行 | 属人 | 役職に応じた権限分化 |
デジタル支援の注意点 | 属人の事業実行を前提とした支援 | 属人排除・形式知の共有 |
上の表のような差があるので、本来はこれに対応するための体系だてた支援ノウハウの蓄積やその教育・共有行程、小規模な事業者の信頼を損なうことなく、かつ専門分野をもれなく支援可能な網的な支援体制があれば良いのでしょうが、これらが無い現場が多いために(※)、実際の支援専門家は、手探りのノウハウ習得、専門家個人の協力者の獲得を行わないといけないことが大きな課題と理解しました。(※「よろず支援拠点」には、これらの点を意識した体制整備がされている場合が多いと思われます。)
これは個人的な感想ですが、不勉強ながら、上記のような議論の他に、小規模事業者支援ならではの費用対効果の課題や、専門家に対する対価の源泉など、おそらく以前から議論されていた課題もあるのではないかと感じました。
志ある専門家の方々の集まりに参加出来て、貴重な学びが得られました。